「リグロス」誕生
今日は新薬「リグロス」を紹介いたします。
歯周病が進行すると歯を支えている顎の骨が溶けて無くなって歯が揺れてきます。そのまま放っておくと歯が抜けてしまうこともあります。そこで、溶けて無くなってしまった顎の骨を再生するのが「リグロス」です。
「リグロス」は薬と言っても飲む薬ではありません。顎の骨の無くなったところに手術で直接入れることで、そこに骨が再生します。手術と言っても歯周病にはよく行われる簡単な手術とほぼ同じですので安心してください。今までにも骨の再生を謳った製品はいくつかあったのですが、データを見る限り「リグロス」は画期的に骨が再生します。
早速当院でも「リグロス」を使えるように認定を頂きました。今のところ「リグロス」で骨が再生できるのは、一部の歯の周りだけに限られた骨の欠損の症例です。全ての歯が揺れてしまったような症例には使えません。何もないところに骨ができるのではなく、歯と骨との間にできた隙間を新しい骨で埋めるという感じです。「全体的にはまずまず良い状態だが、この歯だけ悪いのでなんとかしたい」という症例は結構多いのです。そういう患者さんにとって「リグロス」は救世主になると思います。私も期待しています。
また、「リグロス」は保険適応です。これも患者さんにとって朗報だと思います。以前紹介した虫歯治療の「MTAセメント」も同じように画期的なのですがこちらは保険適応外なので残念に思っています。